報告リポート

 

開催概要

名称 第1回国際モスクワ展「Art of the Doll」

International Moscow Exhibition Art of the Doll

会期 2010年10月29日〜31日

会場 マネージ中央展示会場ロシア・モスクワ)会場面積5600平方メートル

主催 人形芸術の発展と促進をサポートする文化財団「DOLLS OF THE WORLD」

(本部モスクワ)

URL www.dollmanege.ru

日本ブース出品者〔順不同)

山口景子、河野滋子、長谷川裕子、柴倉一二三、山吉由利子、矢部藤子、レプンクル、長岡哲生、尾花智子、稲田敦、西村FELIZ(チーム・コヤーラ)

 

説明

 

世界最大のドール・ショーをめざすこの展覧会はアンティークから現代創作人形、ぬいぐるみまで、すべてのジャンルや表現の人形を対象とした博覧会を目指しています。

主催者はロシアで今、人形制作者が発表の場として第一に考える「ドール・サロン」を立ち上げたスタッフ。彼らが「サロン」から分離、サンクト・ペテルブルグで「ドール・タイム」を実績を重ね、新たな文化財団を発足させ、取り組んだのがこの「Art of the Dolls」です。

その主要メンバーに、ロシアで最もよく読まれている「ドール・マスター」誌発行人のオルガ・ラクヒナ、創作人形にいち早く注目し創作人形の市場を切り開いた「ワクタノフ・ギャラリー」のオーナー、イリナ・ミンツィア、ロシアで人形製作を広めた功績者、材料サプライヤーのスヴェトラナ・ラナラッタが名を連ねています。他に政府関係者、メディア、ロシアの人形美術館なども本展のスポンサーとなりました。

人形一色の「ドール・サロン」とは趣を異にして、「Art of the Doll」では、人形をテーマとした絵画や写真を扱うギャラリーも参加、また、ロシアで有数のパペットアニメーションのスタジオや、メカニカルなオブジェを制作する作家グループが見応えのある質の高い展示を行っておりました。

また、ロシアの人形作家のグループも力の入った展示ブースも見応えがありました。

他には人形に関する小物やアクセサリーを販売するブースも出展、買い物目的でも楽しめる展示会でした。「ドールサロン」と会期が近かったこともあり(10月初旬)、モスクワで立ち上げる新プロジェクトの第一回目として試行錯誤の印象もありましたが、まずは、オルガ・ロエル(スイス)をはじめとする、第一線で活躍する作家が「今まで参加した人形展で一番美しく、クオリティが高い」と異口同音に話しておりました。私もその点では同感です。

日本の創作人形を主催者は高く評価しています。それは人形作家や制作者のあいだでも同じです。

そういう方々からも、一般のお客様からも「ここの展示が一番美しい」というお褒めの言葉を頂きました。他にお金をかけた大規模な美しい展示が多いなかで、この声はとても嬉しく思いました。

お客様は人形ファンに限らず、老若男女、子供も含め誰もが作品をひとつひとつ、じっくりと鑑賞されていました。こういう鑑賞の仕方は日本の展示会では最近見受けないので、嬉しい時間でもありました。

また、来場者向けに会場内のカンファレンスルームで、人形文化紹介のプログラムが随時行われましたが、私も日本の現代創作人形をテーマに30分ほどプレゼンテーションを行いました。私の出番が近づいたとき、場内は満員の人となり、関心の高さを感じました。こういうことはこれからも積極的に取り組みたいと思いました。

最後にお断りとお詫びなのですが、ロシア(ドバイもそうでしたが)では、一般客の展示作品の撮影は当たり前のこととして受け止められています。ほとんどの人が撮影を前提に来場、一人断っても押し寄せてくる人とカメラの群れに、撮影禁止を呼びかけるのは焼け石に水、不可能なのは、現地にいらっしゃる方であればご理解頂けると思います。その旨、ご理解を賜れば幸いに思います。

現地のコヤーラ・スタッフであるアニーも、大変神経の細やかな人ですが、日本では撮影禁止が常識だというと「何故?」と驚いていました。撮影は個人が楽しむ目的のものであり、ロシアでは当たり前のことなのだそうです。ですので、プロ的な撮影をする人には、目的を確認して、了解できる内容であれば許可しました。

とにかくいろいろな形で彼らの記録に残ることで、宣伝の一助となるだろうと前向きに捉え、対応させて頂きましたことを、ご報告させて頂きます。

第二回がどうなるのか、人形業界の組織改編が活発に行われているロシアで、今後の展開は注目に値します。第二回があれば、今回の評判を聞きつけた海外作家がさらに参加することになると思われます。

(文責 羽関チエコ)